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もめん絲(いと) |
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1枚の布を囲んで女達は知恵を出し合う。今も昔も変わることがない、女達の光景がここにある。 |
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1枚の木綿に託された想い。 「もめん絲」に置いてある会津木綿の小物やバッグは、ほとんどが地元の主婦達の手づくりの品だ。そこには、家事や育児の合間に1針1針ていねいに針を通した女達の愛情が込められている。 「昔の女達は木綿を大切にした」 と店を営む鈴木幸江さんは言う。彼女も地元在住の主婦だ。 仕立てた着物が古くなれば、布をついでもう一度着物を仕立て、子供に着せた。その着物が古くなると、今度は布を細く裂き「裂織り」で敷物をつくったり、雑巾にしたりした。 「新しい木綿を使うのはもったいなかった。もともと木綿はそういうものなんだよね」 かつて、1枚の会津木綿は何人もの女達の手を介して仕上がるものだった。 綿花を摘み、糸をつむいだ農家の女達。藍草を育て、染料をつくり、糸を濃紺に染めた女達。糸を機織りにかけ1枚の布に仕上げた武家の女達。 倹約の精神だけで木綿を大切にしたわけではないだろう。そこにあるのは「木綿」という1枚の布を仕上げた何人もの女達への愛情だ。 1枚のキルトがレジの上に飾られている。 藍染を使って渦巻きをデザインした勢いのある作品。鈴木さんの手によるものだ。 たくさんの端切れを使って、1枚の絵を仕上げるような芸術性のあるキルトやパッチワークも好きだという。 キルトやパッチワークも、布が大切だった時代に西欧の女達が生みだした「生活の知恵」だ。 そこには、余った布を使ってさえ暮らしを彩る物をつくり、楽しもうとする女達の姿が見える。 「今はパッチワークできるミシンもあるんだけど、やっぱり出来上がりがちがう。ゆがみもあるんだけど、それがいいのよ」 鈴木さんはあくまで手づくりにこだわる。時間を見つけては端切れをつないで「裂き編み」で作品をつくる。 「こんにちは」 と声がして、常連らしい女性が「絲」に入って来た。店に出す作品を鈴木さんに見せ、新しい作品をつくるための木綿を買っていく 「ちょっと待って。新しい柄が入ったのよ」 「それ、バッグにちょうどいいかも」 鈴木さんと女性の会話がはずむ。次の作品のアイデアが広がっているようだ。 1枚の布を囲んで、アイデアを出し合い、技を伝え、情報を交換する。今も昔も変わることのない光景。 「もめん絲」。 ここには変わらぬ女達の姿がある。 |
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| もめん絲(いと)
会津若松市七日町3-31 |
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